
インタビュー
歯科医師 井上 さやか
歯科医師 井上 さやかさんのインタビュー
大学病院で17年。総合病院で4年。
そして、この職場で新しい"挑戦"が始まりました。
プロフィール
職種
歯科医師
入社年
2020年2月 中途入職(在職7年目)
所属院
射水本院
富山大学歯科口腔外科で17年、済生会富山病院で4年。大学病院と総合病院の第一線で20年以上を過ごしてきた井上さやか先生が、星陵会に加わったのは2020年2月、コロナ禍が始まる直前でした。「開業は自分には無理」―― そう思って選んだ勤務医の道が、なぜクリニックへとつながったのか。そして、絶対にやらないと決めていた矯正治療に、いま自信を持って取り組めるようになったのはなぜか。キャリアチェンジという選択肢について、率直にお話を伺いました。
歯学部を卒業してすぐ、富山大学歯科口腔外科に17年勤務しました。口唇口蓋裂(生まれつきのお口の疾患 ―― ミルクがうまく飲めない赤ちゃんや、鼻と口がつながっていて話しにくい状態のお子さん)の治療に関わらせていただきました。言語聴覚士さんとチームを組んで発達を支える仕事も含めて、大学ならではの経験を積ませてもらいました。
その後、済生会富山病院に4年。ここは脳卒中センターがあって、飲み込みが難しくなった患者さんが多く、言語聴覚士・作業療法士・理学療法士・衛生士さんとチームを組んで嚥下訓練で病棟を回る、というのが日常でした。今で言う「口腔機能低下症」の治療に、その頃から取り組んでいた病院です。
そして2020年、星陵会へ。大学病院(3次)→総合病院(2次)→クリニック(1次)と、規模を段階的に降りてきた形になりますね。
正直に言うと、「開業は自分には無理」と思っていたんです。もう学生の頃から。だから最初から勤務医でやるつもりでした。抜歯と急変対応ができる勤務医になりたくて、口腔外科を選びました。
立浪理事長は、実は大学の先輩なんです。済生会病院で仕事を一段落つけたタイミングで、たまたま立浪理事長と再会して。「うちに来る?」と声をかけていただいて、そのまま「じゃあ、行きます」と即答でした(笑)。
正直、たちなみ歯科口腔外科クリニックがここまで1.5次医療機関としてきちんと機能しているとは、当時は知らなかったんです。日本でも数少ないその位置づけで、1次医療機関よりも専門的な医療を提供する。「ただの大学の先輩の医院に行くつもりで来たら、実はすごくちゃんとした場所だった」というのが、率直な印象でした。
内容は変わったんですけど、"これまでの経験がちゃんと役に立つ"という感覚があります。
例えば、大学病院時代の入院患者さんへの歯科治療、済生会時代の多職種連携・摂食嚥下リハビリテーションの経験 ―― これらは今の訪問診療の仕事にそのまま活きています。星陵会での訪問診療は、私にとって"新しい仕事"ではなくて、過去のキャリアと地続きの仕事なんです。
「大学病院でやったこと、総合病院でやったこと ―― どれも無駄にならず、ちゃんと今につながっている職場です。」
大学病院や済生会でも入院患者さんへの一般歯科治療はやっていたのですが、正直、自己流で無限に時間をかけてやっていた感覚でした。設備も限られていました。
星陵会に来て、最先端の機器と圧倒的な症例数の中で、それまで1ヶ月に数本あるかないかのインレー形成を、1週間で複数こなすくらいのスピード感で経験させてもらえた。もちろん最初は「下手なりに」でしたけど、プライムスキャン(3D口腔内スキャナー)で自分が削った歯を拡大して見ると、ちょっとした段差までクッキリ見えて「うわ、ここが悪いのか!」と気づける。技工士さんが「もう少しこう削るといいですよ」と教えてくれる。
チェックを受けながら、入職から半年〜1年で一般診療も自走できるようになりました。設備と人が揃っている環境の力を、身をもって実感しました。
矯正治療は本当に苦手だったんです。学生時代のワイヤー矯正の授業で「これは自分には絶対無理」と思って、口腔外科を選んだ理由の一つでもあるくらい。
でも、星陵会でインビザラインを導入することになって、「先生もやってみて」と言われて。悩みながらやっているうちに、少しずつ「これならできるかも」という感覚が生まれてきました。今では自信を持って提供できるようになり、これからは小児矯正の分野にも取り組んでいこうと考えています。
自分の中で「絶対に無理」と決めていた領域が、この職場で挑戦できて、できるようになった。これは本当に大きな経験でした。
いくつかありますが、印象的だったのは患者さんが体調を崩されたときのことです。何も声をかけなくても、衛生士さんたちがモニターだけでなくアンビューバッグやAEDをサッと集めてくるんです。「なんて訓練された人たちだろう」と本当に感動しました。
大学病院の急変対応リストのようなものを、この規模のクリニックできちんと運用している ―― 医療機関としての基本動作が徹底されているのは、すごいことだと思います。
これほど機器が揃っているクリニックはないと思います。特に印象的だったのはプライムスキャン。親指の爪くらいの範囲が手のひらサイズに拡大されて表示されるので、自分の削った歯の状態が細かく見える。「あれがあってから、削りが上達した気がします」と技工士さんに冗談を言うくらい(笑)。
月1回、ドクター勉強会をやっています。ある月は私が担当して、進行性下顎頭吸収(顎関節症で下顎頭が吸収されて前歯が噛み合わなくなった患者さん)の症例(6例)をまとめて発表しました。
大学時代よりも星陵会に来てからのほうが、この疾患を診る機会が多いんです。症例数が多いからこそ深められるテーマがあって、ディスカッションも活発。「30分でおさめて」と言われても、いつも1時間ぐらい話し込んでいます(笑)。
最近はドクターだけでなく、他職種のスタッフも参加できるようにしていて、Zoomでつないで、休みの人も家から視聴できる形になってます。
行きたいと言えば、全て補助してくれる環境です。インビザラインドクター資格も、全額補助で取らせていただきました。立浪理事長は「どんどん行ってきて」と言ってくださるのですが、私自身がちょっと出不精なので、最近は主にオンデマンドで受講しています(笑)。
大学病院は利益を気にせず研究や医療に打ち込める環境ですが、教授になれるのはピラミッドの頂点の一人だけ。多くの人は途中で関連病院に移ったり、開業したりします。
クリニックは経営視点が入ってくるので、頭の使い方が変わる部分は正直あります。ただ、星陵会は立浪理事長がビジョンを持って引っ張ってくれるので、私はその中で自分のできる仕事に集中できています。給与も、それぞれのキャリアパスに応じて評価される環境です。
「挑戦し続けることについていける人」です。
立浪理事長自身のビジョンが大きくて、変化のスピードも早い。だから、変わっていくことにワクワクできる人、新しいことを楽しめる人が、この職場では活躍できると思います。
ただ、立浪理事長は決して無茶を押し付ける人ではありません。私自身、年齢や体の事情も理解した上で「訪問診療をやってみる?」「老眼が進んだら一般診療は大変だよね」と、その時々に合わせて提案してくださる。適材適所を見抜いて、いろんな仕事をさせてくれる方です。
だから、変化を楽しめる方であれば、キャリアや年齢は関係なく、活躍できる場所だと思います。
大学病院や総合病院で長く勤めてきた先生方にも、若手の先生方にも、「これまでの経験が無駄にならない職場」であることをお伝えしたいです。
私自身、大学と総合病院で培ってきた知識・経験が、いまの一般診療にも、訪問診療にも、そして矯正への挑戦にも、すべて活きています。キャリアを積み重ねてきたからこそ、新しい挑戦ができる場所だと感じています。
一緒に、変化を楽しみながら歩んでいただける方をお待ちしています。